京都呉服屋 夷川しめだと町方のきもの文化

町方の奥様方が求める「きもの美学」


京都呉服屋 夷川しめだ > 町方の着物文化と夷川しめだの歩み > 町方の奥様方が求める「きもの美学」

京都には、「出ず入らず」という言葉があります。主張のありすぎる出すぎたデザインも良くないけど、地味過ぎるというのも良くありません。言葉で表現すると、品と美の表現がちょうどいい塩梅というのでしょうか、そんな着物が大切にされ、好まれていたと思います。

着ていかれる場に応じて、また、立場に応じて、着分ける女性の品格や心配りが、そこに現れます。京の町方の女性は、他人の様々な着物や立ち居振る舞いに学び、周りの人の反応にも心を傾けます。経験を積んで、品性も美意識も高くなっていきます。そして、自分好みの着物の愉しみ方が磨かれ、お一人お一人の美学になっていくのだと思います。

そして、京都の商家では、「始末」が重んじられます。いいものを大切に長く使い、使い切ることが美徳でした。一回着て終わりではなくて、幾度も着られて、飽きの来ない美しさが求められていました。京呉服の「出ず入らずの美」が、町方の奥様方のお洒落として、美学として磨かれ、愛されてきたのです。

京都呉服屋 夷川しめだは、創業以来長い間、京都に深く根ざしたのあつらえ呉服屋として、そんな町方の奥様方のお眼鏡にかなうよう着物、帯、小物を、お一人お一人とお話ししてデザインし、見立て、提供し続けてきました。それは、何よりも大切な財産です。美しさの粋(すい)を大切にした、さりげなく秀麗なお着物。それが、町方の奥様方にご愛顧いただけている理由のひとつです。