お手入れのタイミングと傷みへの誤解について
N様からのご質問
お茶で着物を着ることが多いですが、着物をお手入れに出すタイミングにいつも迷います。
着たあとすぐにはお手入れにださず、何回か着てから出すことが多いです。
頻繁にお手入れに出すことで、着物が傷むことはないでしょうか。
単衣の時期の着物など、汗をたくさんかいた場合は、すぐにお手入れにださないと変色の原因になってしまうでしょうか。
着たあとすぐにはお手入れにださず、何回か着てから出すことが多いです。
頻繁にお手入れに出すことで、着物が傷むことはないでしょうか。
単衣の時期の着物など、汗をたくさんかいた場合は、すぐにお手入れにださないと変色の原因になってしまうでしょうか。
当呉服屋からのお返事
着物を着はじめたときに、多くの方が一度は持たれるお手入れの疑問です。
お着物は、続けて着る機会がありましたら、あきらかな汚れや変色があった場合を除いて、着る度に毎回お手入れに出す必要はありません。そのお着物を、しばらく着ない期間に入る際に、お手入れに出されることをおすすめします。
単衣の時期は、春の1ヶ月半、秋の1ヶ月半ほどと短いため、その春または秋の期間内に、お茶会など複数和装機会あれば、続けて着られてから、その単衣シーズンの終わりにお手入れに出されるのがよいです。
汗だとその単衣シーズンで変色せず、気付かないことも多いですが、次の単衣シーズンまでお手入れに出さず引っ張ると、時間の経過とともに変色し落ちにくくはなります。例えば、春の単衣の時期に着終わってお着物を、お手入れに出さずに秋を迎えると4ヶ月ほど経つことになりますから、お着物にとっては良くない状態が進行してしまいます。シーズン始めにお手入れに時間をとってしまい、着たい日に間に合わなかいとも限りません。
お手入れについて、知っておいて頂きたい大事なことをお話しします。
きちっとした専門店であれば、頻繁にお手入れに出しても、傷むことはありませんが、クリーニングに出すと、仕立てが狂ったり、お着物が傷むこともありますので、避けた方がよいです。
当呉服屋を含むお手入れ専門店であれば、汚れ・シミ落としはもちろん、仕立ての狂いや刺繍の傷みもお直しして、購入当初に納めたときとほぼ同じ状態にして納められます。
そんな至れり尽くせりだと費用が気になり、億劫になる方も多いことと思います。近年のデパートや百貨店の呉服コーナーだと、お手入れ項目ひとつひとつに対して費用が加算され、高くなってしまうようなので、そう思われても仕方ありません。
お店によって違うと思いますが・・・
当呉服屋の場合、末永いお付き合いを大切にしておりますので、京都の町方の奥様方にさせていただいてるのと同じように、よっぽどの汚れや傷みでなければ、お手入れ費用はリーズナブルに、お着物を最良のコンディションに整えて、お届けしています。他社と比べてその額に、よく驚かれますが、お客様に安心してご利用いただけ、お着物の美しい状態を維持して、長くお召しいただけることが大切だと考えております。
皆様が、豊かな着物文化を愉しまれることを願いつつ、
少しでも、参考になれば幸いです。
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